Today I Learned (TIL) アプリを開発しました

Share this post

はじめに

10年間の大学院生活を経て、2023年にWEBエンジニアとしてキャリアをスタートさせた私は、「Today I Learned (TIL)」という興味深い習慣に出会いました。本稿では、TILの概念とその重要性、そしてこの習慣を支援するために開発したアプリケーションについて詳しく解説します。

Today I Learned (TIL) の起源と意義

TILの起源は2008年頃にさかのぼります。Redditというソーシャルニュースサイトで「today-i-learned」というトピックが作成されたことが始まりとされています。その後、特にソフトウェア開発者コミュニティにおいて、GitHubに「til」リポジトリを作成し、日々の学びをMarkdown形式で記録する慣行が広まりました。

特に注目すべきは、Josh Branchaudさんのjbranchaud/tilリポジトリです。このリポジトリの人気が、TIL習慣の普及に大きく貢献しました。

TILの本質は、Redditの説明に端的に表現されています:

TILは、ある分野の細部に関する一般的な知識の概要を提供することを目的としており、深い専門的な議論を目指すものではありません。

つまり、TILは日々の小さな発見や学びを簡潔に記録する習慣です。特に技術の進歩が著しいIT業界において、この習慣は継続的な学習と知識の整理に非常に有効です。

TILアプリケーション開発の動機

私自身、日報にTILを記録する習慣を続けていましたが、ある時二つの点に気づきました:

  1. 最近の問題解決プロセスでは、検索エンジンよりも大規模言語モデル(LLM)への問い合わせが増加している
  2. LLMとのやり取りの履歴から、その日の学びを自動的に抽出できる可能性がある

TILの実践において最も難しい点は、自身の学びを言語化することです。これはメタ認知の一種であり、相当な認知的負荷がかかります。この過程をAIによって支援できないか、という発想が本アプリケーション開発の出発点となりました。

Today I Learned アプリケーションの特徴

スクリーンショット2024-09-1415.46.11.png

開発したアプリケーション「Today I Learned App」には、以下の主要機能があります:

  1. LLMへの問い合わせ機能
  2. 学習内容の自動生成
  3. ダッシュボードによる学習の振り返り

特に3点目のダッシュボード機能は、私のLearning Analytics研究の経験を活かしたものです。自己の学習パターンを可視化し、効果的な振り返りを促進します。

アプリケーションの詳細な使用方法については、YouTubeの紹介動画をご参照ください。

オープンソース化について

本アプリケーションはGitHub上でオープンソースとして公開しています。自身でホスティングしたい方々のために、ソースコードを提供しています。

技術スタックとしては、以下を採用しています:

  • フロントエンドフレームワーク:Next.js
  • 認証:Firebase Authentication
  • データベース:Firebase Firestore

TILと東洋思想

TILの概念には、東洋思想、特に禅の教えと通じる部分があります。過去の学歴や将来の壮大な計画に囚われず、「今」この瞬間の学びに焦点を当てるという点で共通しています。TILは、学ぶ意欲さえあれば誰でも始められる、極めて民主的な習慣であると言えるでしょう。

結論

「Today I Learned App」は、日々の小さな学びを効率的に記録し、振り返るためのツールです。継続的な学習と自己成長を支援するこのアプリケーションが、皆様の知的探求の一助となれば幸いです。

ぜひToday I Learned Appをご利用いただき、日々の学びを積み重ねていってください。

Share this post

NewtMade in Newt